薪ストーブの補助金:出している自治体と条件
薪ストーブの補助金は、市町村や県がそれぞれ出しています。2026年度の募集を確認できた13の自治体では、上限は5万〜30万円でした。多くは購入や工事の前の申請が条件で、予算や台数に達すると締め切られます。契約の前に、住んでいる自治体の制度を確かめてください。
補助金を出しているのは市町村と県
まきどこ編集部が確認した制度は、どれも市町村か県が独自に出しているものでした。そのため、金額も条件も受付の時期も、自治体ごとにばらばらです。
制度の名前もそろっていません。「薪ストーブ等購入者に助成します」(松本市)、「木質バイオマスストーブ設置費補助金」(村上市)、「山林資源活用機器設置補助金」(伊那市)、「再生可能エネルギー設備導入推進事業補助金」(当別町)、「やまがた未来くるエネルギー補助金」(山形県)といった具合です。
窓口も、森林や林業の担当課のことも、環境の担当課のこともあります。松本市は森林環境課、上田市は森林整備課、当別町はゼロカーボン推進室です。盛岡市のように「市内で産出される薪の利用に努めること」を条件に入れ、地元の木の利用を後押しする制度もあります。
2026年度(令和8年度)に募集を確認できた自治体
各自治体の公式ページで、2026年度の募集を確認できたものだけを載せています。住宅に薪ストーブを置く場合の内容です。
| 自治体 | 補助率 | 上限 | 主な条件 | 受付時期 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 当別町(北海道) | 2/3以内 | 20万円 | 町内の一般住宅に設置。未使用品。契約・購入・発注は交付決定の通知を受けてから | 2026年6月1日〜11月30日(窓口のみ) | 当別町 |
| 山形県 | 1/3(やまがた省エネ健康住宅の認定を受けた住宅は1/2) | 16万円(認定住宅は24万円) | 薪またはチップを燃やすストーブで、承認機構の承認を受けたものか同等の水準。設置工事は県内の施工業者 | 2026年4月16日〜11月30日必着 | 山形県 |
| 盛岡市(岩手県) | 1/3 | 15万円(住宅向け) | 二次燃焼機能の付いた備え付けの薪ストーブ。発注(購入・契約)前の申請 | 2026年4月10日〜12月28日(先着順) | 盛岡市 |
| 一関市(岩手県) | 購入設置費の1/10以内 | 10万円 | 二次燃焼構造のある薪ストーブ(ペレットストーブは対象外)。事業の着手前に申請 | 2026年4月1日〜2027年2月26日(予算300万円) | 一関市 |
| 湯沢市(秋田県) | 1/2 | 20万円 | 導入費用5万円以上。薪・チップは二次燃焼以上の機能。交付決定の前に導入したものは対象外 | 11月末日まで(消印有効) | 湯沢市 |
| 南魚沼市(新潟県) | 対象経費の1/5以内 | 16万円 | 設置の前に申請。見積書・機器カタログ・設置箇所の写真を添付。予定件数を超えると抽選 | 1次 4月1日〜30日、2次 9月1日〜30日(各5件程度) | 南魚沼市 |
| 十日町市(新潟県) | 対象経費(税抜)の1/3 | 15万円 | 薪ストーブは二次燃焼構造か燃焼効率70%以上。申請に工事着手前の現況写真が必要 | 2026年4月1日から(予算の範囲で先着順) | 十日町市 |
| 村上市(新潟県) | 購入・設置費の1/3 | 10万円 | 購入・設置費6万円以上、耐用年数6年以上(薄い鉄製の時計型などは対象外)。交付決定の後に購入・設置 | 2次募集 2026年9月1日〜11月30日(予算100万円) | 村上市 |
| 松本市(長野県) | 本体購入費の1/2以内 | 10万円 | 二次燃焼機能か熱効率60%以上。県内に事業所か代理店のある店から購入。購入・設置の前に申請 | 2026年4月1日から(35台) | 松本市 |
| 上田市(長野県) | 本体金額(税抜)の1/2 | 5万円 | 設置の前に森林整備課へ相談して申請。設置済みのものは対象外 | 2026年4月1日〜2027年2月26日(13台・先着順) | 上田市 |
| 伊那市(長野県) | 2/3以内 | 30万円(ペレットストーブは42万円) | 新品に限る。市内に本店か事業所のある事業者が設置。原則として交付決定の後に着手 | 2026年6月1日〜2027年2月26日 | 伊那市 |
| 真庭市(岡山県) | 事業費の1/3以内(病院・ホテルなどは1/2以内) | 13万円(病院・ホテルなどは20万円) | 事業費10万円超。本体のみの購入や自分での設置は対象外。発注の前に申請 | 2026年4月1日〜2027年2月26日(予算の範囲で先着順) | 真庭市 |
| 東広島市(広島県) | 対象経費の1/3 | 10万円 | 二次燃焼機能か、最大発熱量が1時間4万kcal以上。着工の14日前までに申請 | 2026年4月1日〜2027年2月26日 | 東広島市 |
出典:表の各自治体の公式ページ(2026年9月28日確認)。南魚沼市の2次募集は9月30日まで、村上市の2次募集は11月30日までです。いずれも予算や件数に達した時点で終わることがあります。申請の前に必ず最新の要項を確認してください。
補助金・助成金でよくある条件
- 買う前・工事の前に申請する:上田市は設置済みのものを対象外とし、東広島市は着工の14日前までの申請を求めています。村上市・当別町・伊那市は、交付決定を受けてから購入や工事に進む決まりです。
- ストーブの性能:煙やにおいを抑える「二次燃焼」の機能を求める制度が目立ちます。松本市は熱効率60%以上、十日町市は燃焼効率70%以上でも対象です。
- どこの業者か:伊那市は市内に本店か事業所のある事業者の設置、山形県は県内の施工業者による工事が条件です。松本市は県内に事業所か代理店のある店からの購入を求めています。
- 新品で、専門の業者が設置する:中古品は対象外の制度が多くあります。真庭市は、本体だけの購入や自分で設置する場合を対象外としています。
- 住所と税:その市町村に住み、そこで設置すること。市税の滞納がないことも、多くの制度で条件です。
- 1回限り:松本市・一関市・東広島市・伊那市などは、過去に同じ補助を受けていないことを条件にしています。
- 年度内に終える:伊那市は2027年2月末までに設置と支払いを終える必要があります。一関市も年度内の設置と支払いの完了が条件です。
申請の前に契約してしまうと、多くの制度で対象から外れます。工事の流れの中で、いつ申請するかは後付けの流れでも説明しています。
ペレットストーブの補助金は対象が分かれることも
同じ木を燃やすストーブでも、薪とペレットで扱いが違う制度があります。
- 薪だけが対象:一関市は、ペレットストーブを対象外と明記しています。
- ペレットだけが対象:佐久市(長野県)の2026年度の制度は、ペレットストーブが対象で、薪ストーブは含まれません。対象経費の1/2以内・上限15万円です。ペレットの供給者と3年間の燃料供給の協定を結ぶことが条件で、2026年7月13日から先着順で受け付けています。
- 両方が対象で上限が違う:伊那市は、薪ストーブが上限30万円、ペレットストーブが上限42万円です。
- 燃料にも補助:湯沢市は、燃料(薪・ペレット)の購入費の1/2、上限5万円の補助もあります。薪は市内の森林から出たものに限られます。
出典:佐久市「令和8年度 木質バイオマス熱利用設備導入事業補助金」、湯沢市、伊那市、一関市(2026年9月28日確認)
自分の市町村の補助金の探し方
- 「薪ストーブ 補助金 +市町村名」で検索する:ペレットなら「ペレットストーブ 補助金 +市町村名」です。制度の名前がばらばらなので、見つからなければ「木質バイオマス」「再生可能エネルギー」でも調べます。
- 県の制度も見る:山形県のように、県が補助を出していることがあります。
- 受付の時期と枠を確かめる:4月に始まる制度が多い一方、伊那市と当別町は6月、佐久市は7月の開始でした。南魚沼市のように1か月ずつの募集もあります。台数や予算に限りがあり、なくなり次第終わる制度が多数です。
- 年度を確かめる:検索で出てくるページが前の年度のことがあります。ページの見出しに「令和8年度」とあるかを見てください。
販売店に申請を手伝ってもらえるか聞く
申請には、店から出してもらう書類が要ることがあります。南魚沼市は、経費の見積書・機器カタログ・設置箇所の写真の添付を求めています。性能の条件を満たす機種かどうかも、店に聞くのが確実です。
掲載店にも、地元の補助金をサイトで案内している店があります。伊那市のノースフィールドは伊那市の2026年度の補助金を紹介し、申請は施主が自分で行うと案内しています。南魚沼市のS Living Designも、南魚沼市の補助金をお知らせに載せています。
見積りを頼むときに「補助金の申請を手伝ってもらえるか」「必要な書類を出してもらえるか」を一緒に聞いておくと、申請の準備が進めやすくなります。補助額は本体や工事費をもとに決まるため、費用の内訳も合わせて確認してください。
出典:ノースフィールド「薪ストーブ導入補助金」、S Living Design、南魚沼市(2026年9月28日確認)